23/24 マイVリーグアワード~ベスト6編~

マイVリーグアワード
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

今シーズンV2・V3女子含め65試合見てきた私が、個人的にVリーグ女子でよかった、と思うものをアワード形式でご紹介するマイVリーグアワード。会場編スタッフ・試合編V2・V3版ベスト6&控え選手編総合の控え選手編に続いては、いよいよベスト6の発表です。

改めて。この選手編は、全日本の代表チームを作るのではなく、あくまで自分の好きなVリーグのチームを作る、という観点で選んでいます。なので外国人選手も対象ですし、アジア枠や人数など規程もそのままです。また、いわゆるオールスターではなく、ある程度現実的なチームにしています(最近そうも言い切れないですが…)。

今回もチームに欲しい!と思った選手順、にしました。そんな優先順位にも目を向けていただければと思います。

①関菜々巳選手(セッター・東レアローズ)※2回目

一番は、彼女に任せておけば大丈夫、というところですね。その、「任せる」の幅が広がったのが今シーズンだったと思います。

それは、「育成」です。彼女が入ってからの東レは、黒後、ヤナ、そして石川…とそれなりの選手ばかりだったわけですが、今シーズンはごそっと抜けて、若い選手たちを引っ張り上げる役割まで求められたわけで。でも、それにきっちり応えた一年だったと思います。結果は出ていないけれど成果はあった。そして、彼女のセッターとしての能力がさらに引き出されたシーズンだったなと。その好例が大﨑選手です。

これまでレギュラーに定着できなかった彼女が、井上選手の負傷、小川選手の移籍という部分はあったにしろ、一時はアタック決定率でリーグ2位につけるまでに成長しました。これはやっぱり関選手が引き上げた部分が大きいと思います。大﨑選手に合わせたというよりは、「これだけ速いトスを上げるから、ついてきて」という部分もあったかな。それに大﨑選手も食らいついていった。この関-大﨑コンビの本当の意味での速攻は、いつも必死に食らいついて撮ってました(私の撮影レベルも引き上げられていたりして 笑)。

あと、東レの振り返り記事でも書きましたが、ミスが続いた深澤選手にすぐに立ち直りのきっかけを与えた試合もありましたし(個人の感想です)、選手の能力を引っ張り上げるということもできるんだ、というのを何より感じましたね。育成型のセッターにもなれる、ということを示したというところかな。

その手腕を、今度は世界を舞台に発揮してほしいなと思います。海外挑戦、今から楽しみです。

➁平山詩嫣選手(ミドルブロッカー・久光スプリングス)※初選出(控え部門では1回)

一言で言うと、チャンスをモノにした、です。パリ五輪メンバー選考に直結する今シーズン。スタメン定着、アタック決定率7位(日本人4位)で代表入りを勝ち取った、いわば絵に描いたサクセスストーリー、ですね。荒木選手の負傷離脱という要素もありましたが、それも含めて、いわば運を味方につけてチャンスをモノにしたわけです。しかも、ネーションズリーグは当初の千葉からまさかの地元開催に変更。そういう、運命に導かれたような選手は自然と目がいきます。

まあ後何より、カッコいいんだな。しかも画になるカッコよさ、です。

高校時代を存じ上げませんが、完全にキャプテン体質だなと思うんですよね。ローテーションでベンチに下がってもまるで監督のように、最前で腰に手を当てて見ているという。絶対、いい指導者になりますよ、彼女は(笑)。まずはキャプテン姿を見たいですね。もう少し先かな?

彼女が入ることで、いわばチームに一本の太い、強さを兼ね備えた線が入るというか。なので二番目に選びました。あ、あと、SNSだと普通の…いや、普通ではないな(笑)、ハイキュー!!とアイドル好きの女子というギャップもぜひご注目ください。

代表入りはしたものの、レギュラー争いはし烈。まずは地元の凱旋(ネーションズリーグ福岡大会)出場を目指して頑張ってほしいですね。