先日公開した、東レアローズ滋賀のホームゲームの崩壊ぶりの記事は、バレーボールファンに限らず他のアリーナスポーツのファンの方にも大変多くの反響をいただきました。作った本人ですら読んでいて長いと思う記事を、丁寧に読んでくださった方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
中でもアリーナスポーツの演出や観戦文化という点での感想を多くいただきました。そこでここでは、一年前に作成したままタイミングを逸して(リーグのない期間に書いたけれどすぐに再開して時間の余裕がなくなったため)公開せずに放置していた記事を、ほぼそのままで公開します。書いたのは一年前ですが、それほど大きな変化はないと思います。ですので、以下は全て一年前に書いたもの(例えば去年という表記があったらそれは二年前)ということを念頭に置いていただければと思います。
そして記事の最後には追記として、先日の記事を受けて改めて、Bリーグと比較してのSVリーグの演出手法や観戦文化について考察します。
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バスケットボールのプロリーグ・Bリーグ。観客数の増加や続々できる新アリーナ、それに引っ張られるようにしての日本代表の躍進…と、とかく成功事例で語られることの多いリーグです。そして同じアリーナスポーツとして、SVリーグがベンチマーク(目標)とすべきリーグでもあります。元々今の大河チェアマンもBリーグのチェアマンだったこともあり、そのリーグ運営・経営手法をSVリーグに持ち込んでいる印象もあります。
では実際にBリーグってどうなのか。一度見てみないことには…と思い、2024/12/14(土)にLaLa arena TOKYO-BAYで行われた千葉ジェッツ対群馬クレインサンダーズの試合を初めて見てきました。

まず、私の中でのBリーグ(自分なりの解釈)についてお話しします。
元々男子バスケは実業団形式の日本バスケットボールリーグのJBL(後にNBL)と、プロのbjリーグに分かれていましたが、国際バスケットボール連盟からリーグは一つにという勧告があり(従わないと代表が国際大会に出られない)、それでようやく統合に向けて動き出して誕生したのがBリーグです。この統合に尽力したのが、Jリーグの初代チェアマンだった川淵三郎氏。いわば外部から来た人だからこそ、今までなかなかなしえなかった両リーグの統合、が実現できたのではと思います。
川淵さんはJリーグを立ち上げましたけれど、それは全国にある陸上競技場の中にあるピッチの活用、という側面もあったんですよね。せっかく全国各地に陸上競技場があるのだから、それをサッカースタジアムとしても活用…。チームができればそこには人が集まりますし、人が集まれば地域が潤いますし、もちろんその地域からサッカーを目指す子供たちが増えて競技人口も増えて盛り上がる…そんな好循環も狙ったものではと。つまり、地域活性化ですね。で、それを今度は屋外ではなく屋内(体育館、アリーナ活用)でやろうとした…それが私の解釈です。
チェアマン時代の記事で、だいぶ前なのでネタ元は忘れましたが、アーティストのライブビジネスが盛り上がる中、ライブ会場不足が起き始めていて(改修が相次ぐため2016年問題なんてのもありました)、Bリーグがきっかけでアリーナを作った場合、リーグだけでなくライブでも活用できる…そこに可能性がある、みたいなことをおっしゃっていたんですよね。つまり、Bリーグをライブビジネスとしても捉えていたといえます。実際、Bリーグはプレー中も音楽をガンガンかけますし、ライブに近いと言えますね。
そうして2016年に生まれたBリーグは、2024年になっても昨年比で第一節の観客数120%増など、拡大を続けています。それには映画「THE FIRST SLAM DUNK」の大ヒットもあるでしょうし、代表の盛り上がりも、そしてSAGAや長崎、そして船橋といった新設の大型アリーナなど、複合的な要因があってのものでしょう。

アリーナという点ではお台場、川崎、名古屋、安城、向日市、神戸、姫路で建設が進んでいますし、他にも構想としては秋田、宇都宮、静岡、福井、岡山、広島などがあります。
Bリーグの特徴の一つにライセンス制があります。これはたぶんJリーグの事例を持ち込んだと思いますが、リーグだけでなくトップカテゴリ(B1)に所属するためには順守しなければならない規程を設けています。それは経営状態にとどまらず、施設、それこそトイレの数とか照明のルクス数とか、観客目線の規程もあります。
そしてBリーグは更なる発展を目指して、2年後の2026年から「Bリーグプレミア」という新たなカテゴリを誕生させます。これの参入条件もライセンスで、そこには売上、平均入場者数、アリーナ要件(座席数やスイートルーム)といった基準をクリアしたチームだけが参入できます。

まあ、簡単に言えば選抜ですね。条件をクリアできる優良クラブだけが入れ、しかも昇降格もないというメリットも。なんでこういうリーグを作るかというと、世界最高峰のNBAに少しでも肩を並べるリーグに、ということなんですよね。そして、昇降格をなくすことでクラブが経営に全集中できる(降格のリスクがあると積極的な投資も難しいですから)、そんな環境を用意するという背景があります。
ちなみに、このライセンス制をJリーグで整備したのが今のSVリーグチェアマンの大河氏。そのノウハウをBに、そしてSVに持ち込んでいると思います。この辺の話は最後にします。