THIS IS NOT HOME~東レアローズ滋賀の破壊、そして崩壊~

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継承だったSVリーグ初年度

SVリーグになって大きく変わったのが、アウェイチームの応援活動を認めなくなったことです。それまでは試合前に両チームの応援練習があり、試合前には応援団同士によるエール交換なども行われてましたが、そういう光景は一切なくなりました。音響も廃止されたり、いわばアウェイチームの応援活動を規制というよりは存在すら認めないという感じに。

※2018/19からのいわゆる新生Vリーグでも、アウェイチームの音響を禁止にするチームはありましたし、エール交換をしないケースもありました。先取りしていたとも言えますね

なお、「リーグが応援団を廃止させた」という声もありますが、それは事実ではないです(詳細は明かせませんが、それなりの筋に確認した話です)。実際ウチは愛称こそ「チームアローズ」となり、応援団とは呼ばれなくなりましたが組織自体は存続し、継続していました

チームアローズは、このときから導入されたMC(藤原了さん)の元、応援をサポートするという立場になりました。また、刷新感を出したかったのか、得点時の音楽など音響も一新されてしまいました。

ただ。一新されたけれどそこには継続と継承がありました。

・「○○!○○!もう一本!」という得点時のコートネームでのコール
・サービスエースやプロックなどでの特定のBGM
・連続得点時の「ワッショイ」
・セット間で流す曲(「Little Bitch」や、曲は変わったが「T・O・R・A・Y」の振り)

そして何より。このときから導入されたのがチームマスコット、アロッチです。元々のマスコットのアロー君は三次元化(要は着ぐるみ)は難しかったのですが、チームロゴにもなっているためか継続して、新たにアロッチを導入した形になりました。ここはロゴと合わせてマスコット自体を変えた久光やNECとは異なりましたね(これもある意味継承と言えます)。

ファンサービスという点では、当日発表される4選手のグッズを持っていれば試合後に全員で記念撮影ができる「推しクジ」という制度が導入されましたし、一気に強化されました。

一ファンとしてですが、それまでの音楽が変わったことは残念ではありますが、「パワーアップした」というのが総じての感想です。そして何より東レの文化のコア、もっといえばDNAは残してくれたんですよね。

※このシーズンで使われたBGMをプレイリストにしてますので宜しければお聞きください

東レのDNA。それは何か。

①得点時に選手名をコールする
②ワッショイで会場が一つになって盛り上がる

まず①についてですが、選手名をコールする応援って減っているんですよね。なんでかというと、とっさに得点を決めた選手を判別して、その選手名をすぐにスクリーンに出さなければならないから。大変なんですよね。しかもブロックとか誰が決めたかわからない時もあったりしますし。

Vリーグ時代の応援団は二階にいたから見やすくてそれですぐに判別できたんですけれど、今の演出ってたいていは審判台の後ろだったりするので(一概に言い切れないですが)見づらかったりしますし。というのもあってか、選手名コールって減っていったんですよね。

でも、ウチはそれは残したんです。しかもシーズン途中からエンドにLED看板を導入してまでコートネームも出すようにしました。それまでは大画面に得点した選手の画像とアルファベットを載せていたんですけれど、それではコートネームはわからないですからね。そもそもバレーボールを初めて見に来た人はコートネームがわからないですし。そんな人たちのために「わざわざ」「コートネームを呼べるように」LEDを用意したわけで。

やっぱり応援するなら、背中を押すなら選手名を叫びたいじゃないですか。ライブなら、グループのアーティストでグループ名は叫ばないですよね。好きなメンバー名叫びますよね。

そしてウチならではの「ワッショイ」ですが、それは会場みんなが同じ言葉を叫ぶ、だけでなく、振り(両腕を上げる)まで加えることで、観戦者の参加感が加わるんですよね。ライブなら、腕組んで見ているのではなく、ファンと一緒になって両手を挙げてクラップしたりする、あれと同じです。振りがあるのはSVでは少ないのではと思います。

…サラッと書きましたが「参加感」、これが昨シーズンのキーワードでした。特に昨シーズンは滋賀ならではの事情もありました。それは何か。