THIS IS ANOTHER HOME~ここが私のアナザーホーム~

KUROBEアクアフェアリーズ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

その後黒部を訪れたのはコロナ禍を経て2021年10月、2023年11月、2024年2月、2025年1月とほぼ毎年。その間に選手の移籍などチームを取り巻く状況も変わったし、何より中毒性は相変わらず(笑)の新応援歌も「夢見る妖精」もできた。

何よりホームゲームに来るたびに感じたのはグッズの充実ぶりだったし、キッチンカーや場内の出店もちゃんと用意していた。特に「とべんとう(戸部真由香選手)」「頑張れいか(佐藤黎香選手)」といった、他チームにはあまりない選手コラボ弁当(コラボフードはNECとかでもやっていたが)も作っていたり、あと「応援おやつセット」とか、取り組みがいろいろと貪欲だった。その、とべんとう…じゃなかった、手弁当ぶりがよくて、来るたびにどんなホームゲームにアップデートしているのか、はひそかな楽しみでもあった。

また、Vリーグの匂いのするスポットが全国でも少ない中、選手のPOPや自販機、そして勝ったらセールなどコラボ企画あふれる黒部のショッピングセンター・メルシーは貴重なスポットだった。

かつては黒部市総合体育センター内にあった事務所も、新しくできたパッシブタウン内に移転したり、ラッピングバスもできたりと、来るたびにチームがどんどん発展している様子が見られたのも楽しかった。

また、富山は地上波のテレビ局が少ない代わりにケーブルテレビが補完する形になっていて、KUROBEが取り上げられる番組も多かった(「リー!リー!リー!」とか)。ホテルでケーブルテレビをつけていたら突然KUROBEの試合の模様や選手が出てきて「おっ」となることも多かった。

とまあ、軽く打っているだけでこんなにネタが出てくるとは思わなかったが(笑)、来るのはせいぜい一年に一度なのに、それだけディープな時間を黒部で過ごしている証だろう。気づけば冬の日本海を見て、黒部駅から田んぼの中を歩きながら見る立山連峰、そして黒部市総合体育センターの道中のサラサラと流れる川の音を聞いて、そして「幻の瀧」(日本酒)を飲まないと気がすまなくなる体になっていた。

そして何より、人口が4万人にも満たない、Vリーグの中でも屈指の人口の少なさにもかかわらず、来るたびにチームが確実に発展している様子が見られるのも大きかったと思う。地元のいろんな露出といい、黒部はVリーグの理想郷の一つだと思っていた。

一方で、コロナ前に見ていた黒部市総合体育センターの二階席の熱気は、コロナと共に消え去っていた。無理もない。声は出せない、客席は間隔を空けての50%…。当時の写真を見てもかつてのように盛り上がる客席がバックになった写真が見当たらない(スティックバルーンが使えなくなったのも大きかったか)。もうあの二階席は戻ってこないのか…

そんな私とKUROBEの関係は、2023年3月に見たある光景から、導かれるように変わっていった。