それでも「最後は気持ち」だった~あの日の彼女と群馬グリーンウイングス~

群馬グリーンウイングス
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

先日の春高バレーで、あるビーチバレーの選手のこんな投稿が話題となった。解説が『気持ち』とか『想いを託す』的な事ばかり話している、と。

「最後は気持ち」

代表戦をはじめとした中継でもよく聞かれるフレーズだし、中継だけでなく試合結果を伝えるニュースでも「最後は気持ちで勝った」など、解説者を中心に割と使われる。でも、気持ちで勝てる簡単なスポーツなのかバレーボールは。そうじゃないだろ、という思いは、バレーボールを見始めてさんざん耳に、目にするようになって私もだんだん募ってきた。食傷気味になってきたというところか。

解説をしているのであれば、その気持ちに至る過程を説明すべきだろ。もっとも中継では話すと長くなるので背景まで長々と話せないかもしれないが、字数制限のないWEBニュースならできる。気持ちで簡単に片づけるな───

ただ、あの日、彼女の姿を見て思った。一周回って、最後は気持ちなのだ、と。

───

2026年1月11日、群馬県・高崎アリーナ。

仕事の都合で泊りを伴う遠征のできなかった私は近場の試合として、前日のひたちなかに続きこの日は群馬グリーンウイングス対クインシーズ刈谷の試合を選んだ。群馬は元々V2時代から少しではあるけれど前橋で何度も見ていたチームだったし、何しろSVになってからホームゲームの運営ぶりが素晴らしく、それだけで足を運ぶ価値があるからだ。それを書くだけで記事が終わってしまうのでここでは触れないが、そんな理由もあって───新幹線の止まる高崎駅から徒歩圏内というアクセスの良さもあったが───、私は高崎に向かった。

昨シーズン開幕から35連敗したこともあって、SVリーグ初年度の2024/25シーズンは最下位だった群馬。だが今シーズンは三人の外国人選手獲得に続きセッターに大阪から山下選手、オポジットに埼玉上尾から仁井田選手、リベロにアランマーレから工藤選手と、SVリーグでも屈指の補強をして陣容を整えた。さらに昨シーズン試合に帯同していた坂本GMがHCに内部昇格したことでいわば継続性というか、昨シーズン見ていてチームに足りないものを的確に補った、という印象を受けたし何より山下、タントゥイー、そして既にいた髙相の各選手と、PFUの監督時代でもチームメイトだった選手が多くなったのも大きかった。

昨シーズンを踏まえての的確な補強、そしてHCがよく知る選手たちの多さ…それらが相乗効果となってチームは昨シーズンとうって変わって開幕から白星を重ね、年明けの第11節終了時点で4位につけるなど大躍進を見せる。ファンの希望がいわば最高潮に達していたのがこの第12節の刈谷戦だった。

ところが前日のGAME1は8位刈谷相手にホームでストレート負け。しかも第二セットに20点を取っただけで後は11、19とまさかの10点台。チームが強くなったことで相手チームが万全の群馬対策を施してくるようになった、というところか。このままズルズルいきたくない。ここでちゃんと踏みとどまっておきたい。そんな意地は選手たちにはあっただろう。そんな前情報を仕入れて私は高崎に向かった。

新幹線の車窓から見える高崎アリーナ。だがこの日はちょっと様子が違った。