それは、深呼吸からはじまった~東レアローズ滋賀in黒部~

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

今回の試合は、試合中のコート上だけで片付けられる話ではなかった。

中道体制の初戦。選手が入場し試合前の円陣、というタイミングで、おそらく中道監督代行だと思うけれど、「深呼吸しよう」という声とともに、選手たちはいったん円陣の輪を解いて、深呼吸をした。新体制の初陣。オールスターブレイクを置いての二週間ぶりの試合。アウェイ。気持ちが高まる要素はいくつもある中で、まず最初にやったことは、気持ちを落ち着かせる深呼吸だった。

選手たちは、試合前に黒部市総合体育センターの空気を思いっきり吸った。黒部市総合体育センターの空気───

それは、試合が始まる前、終わった後では相手チームを迎え、そして称えるアクアファンの彼らが作り出す空気だった。彼らはホームゲームだからといって、どこかのチームみたいに決して相手チームの応援をつぶしてホーム一色にしたりしない(はい、容赦なくボリューム上げるウチのことですすみません)。さらには今回、日曜の試合後に東レを激励するメッセージを掲げてくれた。

元点回起 東レはここから再燃する

「原点」「回帰」ではないのは、
元は元々強いチームという意味、
起は「起こす、立つ、始まる」で、「再出発」「能動的なアクション」「成長」のニュアンスを強調したもの、だと聞いた

彼らはそんな思いを、対戦相手である東レに送ったのだ。

土曜の試合前に東レアローズ滋賀の一員が深呼吸して吸ったのは、そんな、黒部市総合体育センターの空気だった。空気を吸って、そしてあのボードを見て選手たちの心に火が付いた。

だから。彼らの言う通り、きっとここ、黒部から東レは再び燃え上がる。

「あの、伝説の中道アローズは2026年2月の黒部から始まった」

いつの日かそう、語り継がれる日がくるように。

そういえば。先日のチームの投稿に、休養中の越谷監督が映っていた。休養中の監督がこういう場に出てくるのは、野球やサッカーでも基本的にない光景なので、これは極めて異例だった。

だから。休養中とはいえチームはまだ、あなたと共に戦っている。