入場待機列では元気よく来場者に挨拶したり、場内をくまなく回っていろんなところに目を配り、そして挨拶する。そんな、今のアルテミスのキーマンだと思う平野龍一副社長に今回初めてお会いして、試合後に少しお話しさせてもらった。お忙しい中いろいろ貴重な話をさせていただいたのだが、そこで出てきたキーワードが何より今のアルテミスを象徴しているのではと思った。
それは「スポーツチームは公共財」ということ。
私もいろんなスポーツを見に行っているけれど、特にこれはサッカーに強いが、地元の人たちがホームゲームのたびに定期的にスタジアムに集って、「元気にしてた?」みたいに交流する機会はスポーツならではと思う。Jリーグのアルビレックス新潟を見に行ったときは、スタジアムの周辺にシートを敷いてまるでピクニックのように仲間内で集っていたのが印象的だったし、海外サッカーでも、試合日となればスタジアム周辺のパブは試合前後に仲間同士で大盛り上がり、なんて光景も見られる。


地域が、スポーツチームという共通の話題で人々に交流が生まれ、結果、活性化する。活性化なんて書くと大げさに聞こえるけれど、「先週のウチ、いい試合したね」「あのシーン惜しかった」「今何位だっけ?」「新加入のあの選手、どう?」とか、会話のネタが生まれるだけでも活性化だと思う。だから公共財という言葉はものすごくうなづいた。
特に札幌は、公共財という概念がより強いのではと思う。というのもこの街は基本的に冬は雪という自然災害と向き合う街なので、「寒さや雪という自然と戦う同士」という連帯感が自然と生まれやすいと、一年半だけだが住んでいて感じた。アリーナという屋根のあるあたたかい場所で、そんな仲間と一つ屋根の下にいる…。だから冬場になれば人は自然とそういう場所に足が向く気はする(よほどの吹雪でなければ、だが)。連日、雪ばかりだと気持ちも滅入る。そんな中でスポーツでみんなと盛り上がる…
印象的だったのが、今回試合後の撤収ボランティアに参加したのだが、そこで当たり前のように地元の人たちから「今日レバンガ勝った?」という会話が生まれていたことだ。きっとこの方たちはレバンガも応援し、もしかしたら同じようにボランティアに参加したり、もしかしたら男子の北海道イエロースターズやJのコンサドーレだったり、札幌にあるスポーツチームをトータルで応援しているのかもなと思った。


そう考えると、そんな札幌から抜けたスポーツチームがある中、アルテミスだったり男子のイエロースターズは、その受け皿になりえるのでは…とも思った。札幌から抜けたチーム…そう、北広島に移転した北海道日本ハムファイターズだ。札幌中心部から地下鉄でサッと行けた札幌ドームから、JRに乗ってさらにバス、というエスコンフィールドは気軽さが少し違うし、チームが強くなってチケット価格の入手の難しさや高騰も相まって、むしろちょっとしたレジャーになっていると思う。
それはいいことなのだが(チームの経営面等々)、札幌市民が気軽に見に行けるスポーツチームが一つ減ったということでもあるのかなと。もっとも野球とはシーズンが異なるし、サッカーも秋春制になるのでシーズンが被るようになるが、にしてもいかに札幌市民の公共財となるかが今後のアルテミスのカギだと思った。
と、勝手にアルテミスのターゲットを札幌市民に限定していたのだが…