ブレイクするー?眞鍋ジャパン【世界選手権壮行試合編】

日本代表
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

「眞鍋ジャパン」を、定点観測という形で私なりに定期的に追っている「ブレイクするー?」。前回のネーションズリーグ編に続いて、今回は先日行われた壮行試合についてです。

ネーションズリーグを7位で終え、五輪出場に直結する世界ランキングも7位に上げた、眞鍋監督率いるバレーボール女子日本代表、通称「火の鳥NIPPON」(ここでは眞鍋ジャパンとします)。帰国後再び合宿に突入し、9月に行われる世界選手権(世界バレー)に向けた調整を続けています。

そんな中8月13・14日に岡山、そして20・21日行われたのが「2022女子バレーボール世界選手権壮行試合 日本代表紅白戦ミズノマッチ」。私は岡山に行ってきたのですが、そこでの模様と合わせてこの壮行試合の模様をお伝えします。

ちなみに日本代表が人前に出てきた、見られるようになったのは実は2019年のワールドカップ以来。実に3年ぶりだったわけで、それも念頭に置いていただければと思います。

合宿の延長線上だった壮行試合

まず今回大きかったと思うのが今回の日程です。

ネーションズリーグから帰ってきた代表メンバーはつかの間の休息(決勝まで行かなかったからですが)を経て、薩摩川内で再び合宿を始めました。そして世界バレーに向けてオランダでの事前合宿の前に東京の味の素トレーニングセンターで合宿をする、というスケジュールですが、つまり、薩摩川内から東京へ新幹線で帰る行程の中に壮行試合を行った、というわけです。極端な言い方をすれば「ついで」ということです。

https://www.jva.or.jp/hinotori_nippon/schedule/index2022

一方男子の壮行試合は沖縄での開催。日程を見ると7/28~7/31となっているので、合宿のためだけに沖縄に行ったということだと思います。気分転換という点ではいいと思いますが、わざわざそのためだけに沖縄まで行くというのは負担も大きかったのではと思います(この話は別の観点で後述します)。

その点女子は薩摩川内→岡山→姫路→東京と、新幹線で一本。だから東京への帰り道の中で壮行試合をやった、という印象です。また、当日も試合開始前の90分くらいから選手たちがコートにやってきてウォーミングアップを始めましたが、それより前に会場入りもしておらず、この時に初めて体を動かしたようです。

Vリーグの試合だと、ウォーミングアップは開場前に済ませていたり、サブアリーナで行うこともあるのですが、この日はサブアリーナも開放されていましたし。つまり、普段の合宿での練習の延長線上にあったのではと思うわけです。

普段の練習メニューの中で、紅白戦をやる日もあるでしょう。それをそのままお客さんを入れて公開形式で試合をした。そんな感じでした。選手たちも似たような日々だと退屈するでしょうから、お客さんを入れて行うことでテンションも上がるでしょうし、緊張感も出ます。

その点では見ていて、普段こういう感じで合宿を送っているんだろうなあと親近感を抱きました。代表を身近に感じられて、よりファンになった人も多かったのではと思います。

また、8/21から始まるAVCカップに出場する代表メンバーとの対戦も、男子と違って設けられなかった(8/13、14ならできたはず)のも、合宿の延長線上だったからだと思います。

オールスターではなくあくまで壮行試合

今回の壮行試合のメンバーは、岡山・姫路と共通でした。岡山だけ、姫路だけ、のメンバーはいませんでしたが、上述した通り合宿の延長線上、であれば納得です。

2022女子バレーボール世界選手権壮行試合日本代表紅白戦 ミズノマッチ in 岡山
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ちなみに今回、ネーションズリーグに登録されたものの出場していなかった選手で呼ばれたのは、福留、宮部(愛)、麻野の3選手。また、登録されなかったのに呼ばれたのは籾井選手のみ。岡山、姫路開催なのにそれぞれをホームとするチームから選ばれなかった(※)のは、あくまで世界バレーの壮行試合だったから、ということでしょう。地元での試合だからといって呼ぶことはなかったわけですよね。
※先日姫路への入団が発表された宮部藍梨選手は選ばれてますが、まだチームではデビューしていません。

元々今回の試合には「世界選手権壮行試合」と銘打たれているように、世界選手権に向けた試合だったわけです。紅白戦というとオールスターのような一種のイベント感があると思いますが、あくまで壮行試合なんですよね(なので私はここでは紅白戦という言葉は使いません)。

例えばこれは8/14の試合で、松井珠己選手がサーブで横田真未選手を狙ったショートサーブを打ったのですが、これはある程度世界バレーを意識したものかなと思いました(ネーションズリーグは各国ショートサーブが多かった印象があります)。

ただ今回の壮行試合の結果がそのままメンバー選考につながるかというと、ここまで来たらネーションズリーグのメンバーをベースに臨むと思いますし、試合だけでなくあくまで合宿を通しての選考になるでしょう。なのでそこまでの緊張感はなかったと思います。逆に選考がかかった試合だとガチになってケガのリスクが高まる危険もありますしね。なのでおそらく「この壮行試合の活躍が選考に大きく関わる」なんてことは眞鍋監督は言ってないと思います。

ただセッターは、今回呼ばれた籾井選手にもチャンスはあるのかなと思いました。というのもいつの間にかサーブがジャンプサーブになっていたり、眞鍋監督の求めるサーブ力、を磨いていたんですよね。アピールしてました。松井、関の両選手は背格好が共通していますし、ネーションズリーグからマイナーチェンジする、という点ではメンバー入りの可能性も十分あるのではと思いました。

ここからは選手などチーム編です。