松井共和国~松井珠己とデンソーエアリービーズ21/22~

デンソーエアリービーズ
all text and photographed by
Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

大学生の頃だっただろうか。あるプロ野球チームで、四番打者がFAで抜けた。しかもそれを埋める目立った補強もなし。こりゃ、翌シーズンは苦戦するわ、と思ったが、そのチームは勝率こそやや下げたものの終盤まで優勝争いを繰り広げ、前年に続く二位に。走れない四番打者が抜けたことでチームの機動力がアップし、違うチームにモデルチェンジしていたのだ。

それで思った。主力選手が抜けることでチームが弱体化する、とは限らないんだなと。抜けたことで代わりに出てくる選手がいるし、チームの戦い方も変わるのだなと。できなかったことができるようになるんだな、と。

デンソーエアリービーズは、まあ主力選手が抜けまくった。セッターの田代佳奈美、ミドルブロッカーの奥村麻衣、そしてリベロの井上琴絵の各選手…。彼女たちは東京五輪出場を目指して海外に移籍したが、特に田代、井上は当時の日本代表のコーチ・アクバシュが退任したことで、彼が監督を務めていたCSMブカレストにいられなくなった部分もあっただろう。その一時的な受け皿としてデンソーが手を挙げた部分はあったと思う。東京五輪が終わったら、また別のチームに移ることになっていたのかもしれない。だからある意味退団は想定内だったと思う。想定内ではなかったのは、五輪が一年延期になったことで彼女たちの在籍が延びたことくらいだろう。

ところが。

その後に発表された退団で、鍋谷友理枝、田原愛里の両選手まで抜けたのは驚いた(大竹里歩選手は出場機会も減っていたので)。特に鍋谷選手はキャプテンも務めたし、デンソーが二部にいた頃を知る選手である。チームの核でもあるし象徴、さらに言うとレジェンド。そんな選手まで抜けてしまうのか…

デンソーファンでもない私でさえショックな部分もあったのだから、ファンにとってはかなりショックだったろう。しかも両選手はまるで引き抜かれたかのように(あくまでも結果的に、であって実際は違うだろうけど)揃ってPFUに移籍。複雑な思いだったのではと思う。

しかも、代わりの補強の話は全然聞こえてこなかった。トライアウトの開催が発表になったけれど、セッターが一人になったことで募集のポジションにはセッターが明記されていた。だったらなんで田原選手を出したんや、とデンソーファンではない私でも言いたくなる。

ようやく10/1になって新外国人選手二名が発表になったけれど、もしかしたら外国人の加入すらないんじゃないだろうかと(何回も言うけれど)デンソーファンではない私ですら気をもんだ。昨季PFUにいたアコスタという、Vの経験のある選手が来たのは大きかったけれど、どう考えたって加入と退団の収支は合わない。開幕を前にして、ファンなどの下馬評が低かったのは当然といえた。

だが。私は決してそうは思わなかった。冒頭に書いたエピソードのように、選手が抜けたからといって弱くなるとは限らない、ということもあったけれど、もう一つ、私の中には確信があった。2月に見たあの試合で…